デービッド・アトキンソン『新・観光立国論』を読めば、日本の観光への見方が変わる。

デービッド・アトキンソンさんの『新・観光立国論』を読んだので読書メモ。

ざっくりとは「日本の観光は終わってる!でもポテンシャルはあるからこれからちゃんとやっていこうよ!」っていう本。

「旅行が好き。でも日本の観光名所は面白くない。」と感じている人に、是非読んでもらいたい。

日本は観光後進国だ

日本を訪れる観光客の数と彼らからの観光収入は、世界の国々と比較して決して多くはない。

観光客到着数ランキングでは世界26位、観光収入ランキングでは世界21位。GDPは世界3位なのに、観光産業は全然だ。

2015年、日本の観光客到着数は1973万人。一方、到着数ランキング1位のフランスは8500万人超え。日本は同じ先進国であるフランスの、4分の1しか観光客を集められないのだ。

テレビでは「観光大国ニッポン」とか「日本の”おもてなし”は世界一」とか言われているけれど、どう見ても弱者。この国はもっと観光後進国の自覚を持った方がいい。

ただし、ポテンシャルはある

著者のアトキンソン氏曰く、観光立国には「気候」「自然」「文化」「食事」の4つの条件が必要とのこと。

これを日本に当てはめてみると、

  • 気候:四季がある
  • 自然:豊かな自然が残っている
  • 文化:歴史があり、古典芸能があり、現代文化も豊か
  • 食事:日本のご飯、美味しい!

という感じですべてを満たすことができる。

つまり、日本には観光大国になりうるポテンシャルがあるらしい。

今の日本の観光産業はクソ

現状、日本は観光に関して間違いをしまくっている。

誤った条件設定

アトキンソンさん曰く、星野リゾートが掲げる観光立国の条件「知名度」「アクセス」「治安」は間違っている。

これには僕も激しく同意。「知名度」「治安」は旅行先として候補に挙がるための最低条件でしかないし、「アクセス」に至っては意味がわからない。この3つの条件を満たしていたとしても、そもそも魅力がない場所には誰も行こうと思わないだろうに。

おもてなしの勘違い

日本のおもてなしは世界一、と言っているが日本人のおもてなしは日本人同士でしか成立していない。外国人からしてみたら呼ばないと注文を聞きに来ない日本のウェイターはクソだと思われているし、ルールを押し付けてくる日本の旅館はクソだと思われている。

仮におもてなしが素晴らしかったとしても、おもてなしでお金を得ることはできないのだからおもてなしを頑張っても観光大国になることは出来ないのだ。

スタンスの間違い

“相手の文化や国民性を理解した上で、自分たちの観光資源に価値を見出してお金を落としてもらう”というのが観光ビジネスの基本なのだが、日本はそこを間違えている。

前述のおもてなしと同じく、日本は押し付けが酷いのだ。

多様性がない

日本には値段でサービスに差をつける発想が欠けている。1つのサービスに対して1つの価格しか用意されていないことが多い。また、お金を出したらリッチなサービスを受けれる、待ち時間を短縮することができる、といったものを用意すると批判される風潮がある。

これではお金を払って自分にあったサービスを受けたいと思っている人を取りこぼしてしまうだろう。

目標から逆算して観光戦略を立てろ

観光客の滞在日数は、観光客が日本に落とす金額に大きく影響する。日本が観光収入をもっと増やすためには、やみくもに観光客をたくさん呼び込むだけではなく、その滞在日数を伸ばすことにも着目すべきである。

滞在日数を伸ばしたければ、観光地に滞在してほしい日数から各文化財の担う時間を決め、その時間分を満たすように音声ガイドや展示といったサービスを整備するのが大切だ。


日本が観光立国になるためには、日本の観光地それぞれがこれらの間違いに気づき、サービスの改善をしていく必要があるのだが、全国の頑固なオジサンたちが素直に指摘を受け入れるとは思えないから個人的には日本の観光はもうダメなんじゃないかと思ってる。

グダグタやっているうちに観光収入が足りなくなって歴史的文化財がボロボロになって更に観光収入が足りなくなって、、、なんてことになってしまうんじゃなかろうか。

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